どんな仕事でも、同じ職場の同僚や上司、部下、取引先やお客様とのコミュニケーションは大切です。しかし、特に様々な職種が混在し、仕事範囲が重なっている医療現場でのコミュニケーションは特に大切です。
大きな病院であれば、業務所掌はある程度規定されていますが、特に介護施設の場合は、看護師、看護助手、介護福祉師、保健師がそれぞれ派遣で構成されていることも多く、それに掛かり付けの医師が加わって、コミュニケーション不足による不満が絶えません。
そもそもは、その施設の責任者が、看護に関わる業務全般や、介護に関わる業務全般など広い範囲で業務を依頼するため、責任所在が明確にならない原因ではあります。
とはいえ、現場でそういった事情を振りかざしても、何の解決にもなりません。お互いに奉仕の心で、最大限の業務範囲を率先してやれば、不平不満は出てこないのでしょうが、そうはいきません。
ナイチンゲールも、マザーテレサも、無償での奉仕には限界がある、人の慈善だけに頼った奉仕は長続きしない、と明言されています。
業務範囲が重なりながらも、賃金は、看護師、保健師、介護福祉士、看護助手の順に下がっていきます。看護師と介護福祉師の賃金は、倍以上も違います。マザーテレサの言葉を拡大解釈すれば、コミュニケーション不足のまま、それぞれの勝手な思い込みで仕事をしていると、看護師からは、介護福祉士は重なっている部分の仕事をしないと思うでしょうし、介護福祉士からは、倍以上賃金が出ているのだから、相応の仕事量が分配されるのが当たり前と思うでしょう。当然、不満は噴出します。
だからこそ、コミュニケーションは大切なのです。